Sandankyo Museum 三段峡野外博物館
歩いているだけではみつけられない「声」を探しに
三段峡は体験と学びの博物館
日本で安芸太田町でしか確認されていない特別な現象があります。偏西風と積雪の影響で高い標高の植物が低地でみられる「植生の降下現象」が三段峡で確認されています。暖温帯林と冷温帯林の移行帯に位置し、モミやツガが多く見られ、入り口の暖かい森から徐々に寒い森に変わっています。 渓谷林は極相林でありながら多様な樹木が混成し、渓流は河川本来の生態系が維持されています。原生的な自然環境の中を整備された探勝路を歩き、景観や自然の構成物を鑑賞するように歩ける。三段峡は「野外博物館」なのです。
西日本で唯一の渓谷の「特別名勝」
大正時代に始まった「名勝」制度。三段峡は大正14年に山水画の風景と凝縮され庭園のような景観が高く評価され名勝指定されました。昭和28年には三段峡のスケールの大きな自然美を評価し「特別名勝」へと指定されました。現在渓谷の特別名勝は全国で6つしかなく、西日本では三段峡のみです。 大正期に「名勝」指定され、その後特別名勝になった自然的名勝は7ヵ所しかなく、富士山や松島などの国を代表する景勝地に並んで三段峡があります。 名勝であり、特別名勝であること。西日本一の渓谷、それが三段峡です。
守られた渓谷
三段峡は文化財保護法と自然公園法の特別保護区の指定により、日本で最も厳しく保存が義務付けられてい渓谷です。峡内にはツタウルシなど危険な植物もありますが除去することをしません。落ち葉や倒木も持ち出しが禁止さるるため、豊かな生態系が維持され続けています。
完璧な川とその維持の約束
三段峡をながれる河川は、護岸工事などの改修がされず、昔ながらの河川環境を維持しています。カジカ・アカザ・イシドジョウが豊富に生息し、オオサンショウウオの幼生もみられる「完璧な川」です。この環境は法律により今後も維持されることが約束されています。